投資系大学職員のコウジ(enjoy_dslife)と申します。
近年、大学職員の人気が高まってきたことで、転職の倍率も高くなっていると言われています。
しかし、転職は難しい難しいと言われているものの、実際にどのくらいの倍率なのでしょうか?
感覚的にはわかっていたものですが、改めて調べてみました。
大学職員への転職倍率(例)
あくまで例ですが、公表されているいくつかの大学を挙げてみます。
大学名 | 倍率 |
【国立大学】 | |
関東甲信越地方(事務系) | 53倍(2019年一括採用) |
【公立大学】 | |
名古屋市立大学 | 約22倍(2018年全職種合計) |
約60倍(2017年事務系) | |
京都市立芸術大学 | 76倍(2017年) |
山口県立大学 | 10倍(2018年) |
【私立大学】 | |
立教大学 | 149倍(2017年) |
関西大学 | 82倍(2017年) |
京都産業大学 | 18.6倍(2020年) |
千葉商科大学 | 209倍(2016年) |
神戸女学院大学 | 145倍(2016年) |
神奈川大学 | 123倍(2016年) |
工学院大学 | 108倍(2016年) |
文京学院大学 | 100倍(2016年) |
大東文化大学 | 65倍(2016年) |
名古屋女子大学 | 19倍 (2016年) |
※全て各大学HP及び大学ランキング等参考
取り急ぎネット上を検索した数値ですので、正確性についてはご容赦頂きたいのですが、一流企業並みの倍率を誇る大学が多いですね。
強いていうならば、一部の公立大学等は倍率が低めに出ています。
一方、私立大学は全体的に高めですよね。あまり知名度や偏差値等も関係がなく、100倍ぐらいの大学がゴロゴロあるイメージです。(ネット情報ですと、1000倍越えも多数報告されていましたが、さすがに極端ですかね?)
このような大学職員採用の倍率情報を見る限り、「大学職員採用の競争率は高い」「大学職員への転職は難しい」というのは、間違いではなさそうに思えます。
大学職員の転職において、倍率は気にすべきか?
実は、今日の本題はここです。
参考までに大学職員採用における倍率の例を挙げましたが、果たしてこれに意味があるのかということです。
確かに倍率が高いと、受からないイメージが膨らんで受ける気もなくなりますし、怖くなりますよね・・・
しかし!結論から申しますと、「倍率は気にする必要はありません!」
理由は以下の通りです。
1. 記念応募組が多い
当然ながら、転職倍率とは、応募者の数と採用者の数の比率で決まります。
しかし、本当に重要なのは、応募者の質ですよね。
実際に大学側で採用活動をしていると、応募者の多くは記念受験ならぬ「記念応募」なのかな・・・?と思わされることがあります。
もちろん、応募者自身はそう思っていないと思いますが、語弊を恐れず言えば、「スタートラインに立てていない」方が多いのも事実です。
・あまりにもやる気がない書類(空欄が多すぎる等)
・そもそも応募条件に見合っていない(年齢なんかは多少違ってもOKです!)
応募者の中にはこういった方が多数いるので、書類上でまともな方は実はグッと少なかったりするのです。
つまり、表面的な倍率が高かったとしても、実質的な倍率はもっと低いわけですね。
当たり前ですが、皆さんは「記念応募」側にされないようにして頂ければと思います 笑
2. 応募者の属性が多様である
これは転職ならではの部分になります。
例えば、新卒採用の場合、正直なところ、倍率がそのまま難易度につながることがあリます。
なぜなら、全員が高卒・大卒と言った条件に基づき、ほぼ同じバックグラウンドで勝負をするからです。
もちろん学歴によって多少色がつくことはあると思いますが、「大卒」というほぼ同じような経験を積んできた方々が勝負をするので、倍率が高ければ、ダイレクトに競争が激化します・・・。
一方、転職の場合、応募者の属性が多様です。
営業でやって来た方、経理をやって来た方、研究職の方など、そのバックグラウンドは多彩ですよね。
そうなると、応募者がいくら多くても、完全に一律な評価というのはできないのです。
よって、いくら倍率が高くても、全員が同じ土俵で戦っているとは必ずしも言えないですよね。
つまり、倍率が高いと言っても、本当に自分の競合になる人がどれだけいるのかは未知数なので、倍率を気にしてもしょうがないということになります。
倍率が高く、一見、難しそうな場面でも、他の方とは異なった観点でアピールをしている方は倍率を問わず、書類の通過率が上がりやすかったりしますね。
やはり、自身が得意なところで戦うというのは、鉄則になります。(求められる人材に寄せる必要もあるので、ここが難しいのですが・・・)
3. そもそも大学がたくさんある
これは元も子もない話ですが、大学はたくさんあるので、何も1校に絞る必要はありません 笑
業界にもよりますが、一般的な企業ですと、優良企業は各業界に数社〜数十社ですよね。
しかし、大学の場合、全てではないにしろ、待遇に恵まれた大学は多数あります。
もちろん名の知れた大学の方がなんとなく良さそう・かっこいいと言った気持ちもわからなくはないですが、転職の理由がより良い職場環境を求めてということだったら、必ずしも知名度はいらなくないですか?
こう考えると、候補はたくさんあるわけですし、1校の倍率がどうであれ気にならなくなりますね。
チャンスは山ほどあるのです。
大学職員採用で倍率よりも気にすべきポイントとは?
ここまで、大学職員への転職において倍率はあまり関係がないということを説明した上で、最後に、倍率よりも気にすべきポイントを紹介します。
倍率で悩むくらいなら、これらのポイントに基づき、応募を検討しましょう。
1. 求められている職種
大学職員への転職において非常に重要なのが、今回の募集で、どんな人材が求められているかを知ることです。
その中でも「どんな職種」が求められているかを把握するのは極めて重要です。
・施設管理系の資格を有する方
・営業、広報業務経験者求む
事務系総合職とか事務職員募集と書いてあっても、よくよく募集要項を確認すると、上記のような文言があるケースって多いですよね。
これはヒントどころか、むしろ答えですよね 笑
2番目の資格以外、必須ではないかも知れませんが、これに当てはまる方が優位になるのは明らかです。
求められている条件に合致しているかどうかで、採用難易度は大きく変わってくるわけですね。
私は全ての条件に合致する募集を待っていてはいつまで経っても応募できないという考えのもと、「自身の経験を求められる人材に寄せていく」ことを推奨しています。
事務系の仕事をされている方が営業を語るのは難しいですし、極端ですが、本来業務である事務系の仕事をアピールした上で、他部署や外部業者とのコミュニケーションについて語ることで、対外的な折衝能力を示すことはできます。
正直、寄せると言っても難しいと思うこともありますし、むしろ自身の経歴からして無理だと感じた際は、今回の応募を見送るのも手かもしれません。
しかし、寄せる気もなく応募してくる人が多いことが先に説明した倍率の高騰や「記念応募」状態を招いているわけであり、それだけ相手の求める条件に合わせるということが重要ということですね。
今回の応募でどのような職種の方が求められているかをしっかり把握した上で、応募を検討しましょう。
2. 大学毎に求められている年齢層・ポジション
1の求められる職種と同様ですが、求められている年齢層やポジション(役職)等も念のため把握しておくと、無謀な応募をしなくて済みます。
募集要項を見て、明らかに若手を募集しているのに、役職者としての経歴をアピールしてしまうケース、逆に役職者(課長・部長)を募集しているのに、チームリーダーレベルの経験で応募をしてしまうケースなど、なかなか厳しいアピールも見受けられます。(まれですけどね!)
正直、年齢については、囚われすぎず、チャレンジして欲しいと思っています。
多少の年齢条件オーバーは特に問題なく認めてもらえることもあるので、諦めないでください。(実際、オーバーしていても採用されている方、たくさんいます!)
しかし、役職者については、大学だと少々シビアかも知れません。
というのも、大学はまだまだ古い組織のところも多く、役職の階層化がいまいちなこともあって、役職者に年配の方が多いです。(30代役職者ってほとんど見ない気がします。)
そうなると、民間企業で普通に係長・課長を経験していても、若すぎて採用に躊躇することがあります。
これは能力主義というか、時代の流れに反しているので、あまりいいこととは言えませんが、実際問題としてあるので、気をつけて欲しいです。
役職経験者と言われて、嘘偽りなくても、一般企業と大学職員において役職者の位置づけが異なるという点に注意しましょう。
大学職員は全体的に待遇が良いので、役職者は少ないです。つまり、課長クラスでも、かなり上位ポジションの方であることが多いということですね。
3. 大学毎の試験内容
大学毎に採用試験の内容が異なりますが、これも採用難易度に大きく影響するので、よくチェックしておきたいところです。
例えば、先の倍率を見ると、一般的には私立大学の方が倍率は高かったですよね。
これは、国公立に比べ、私立の方が受けやすいということが大きく影響していると考えます。
国公立大学(一括採用)は受験タイミングが年に1回ですし、公務員試験の名残なのか、しっかりと対策しなければならない筆記試験ががっつり行われるので、応募するにも気合が必要です。
(最近は、国公立でも独自採用を始めているので、また状況は変わるかも知れません)
一方、私立大学の場合、大学を問わなければ、年間を通じて募集がありますし、複数校への応募も当たり前のように行われています。
また、試験内容も面接が多いと考えると、ワンチャンいけそう!と思う方が多いかも知れません。
このように、試験内容によっても、倍率は大きく左右されるものなのです。
もっと細かいことを言えば、私立大学を中心に、エントリーシートや職務経歴書がやたら複雑だったり、たくさん書かせるところが多いと感じたことはないでしょうか?
あれは、「記念応募」を避けるため、一種のハードルになっていることもよくあります。
(それでも応募して来ますけどね 笑)
試験の内容を確認し、面倒なものは逆にチャンスと考えましょう。
本当にやる気のある人しか応募できませんからね。
また、自身が得意な内容の試験が行われている場合は、そちらを優先するというのも効率的かも知れません。
・面接が得意 → 筆記試験なし・面接中心の大学を受ける。
・筆記試験が得意 → 筆記試験のウエイトが高い大学を受ける。(国公立がおすすめ!)
ちなみに、試験内容の把握は完全に情報戦です。
シンプルに知っているか知らないかで勝負が決まるので、情報収集は徹底して行いましょう。
なお、一番手軽なのは、やはり口コミサイトを参考にすることですね。
色々なサイトを参考にしてきましたが、こちらのサイトは登録制(無料)になっているため、今のところ一番信頼しています。
ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も掲載されていますので、非常に信憑性が高いです。全て無料なのに、便利な時代ですね。
私が登録したころよりだいぶ情報も増えているようですし、大学職員志望者は必須です。
大学職員への転職において倍率は気にするな!
大学職員への転職倍率ははっきり言って高いです。
数字に圧倒されるのもわかります。
しかし、今回説明したように、あくまでただの数字なので、過度に振り回される必要はありません!
重要なのは、その実態です。
まず、そもそも本気で大学職員を目指している方のライバルになりうる方はほんの一握りです。実質的な倍率はもっと低いはずなので、安心してください。
そして、倍率よりも、「求められる人材像(特に職種)」と「試験内容」をチェックすることで、自身が応募して勝負できるか、そして、有利に進める方法がよくわかります。
倍率という数字に惑わされず、あなたが採用されるためにはどうすれば良いのかを戦略的に考えるようにして頂きたいと思います。
倍率を気にする方は、おそらく、労力をかけてまで応募する価値があるかを気にしているように思うのです。
それであれば、倍率ではなく、今回紹介した条件に基づき、受けるかどうかを検討して頂いた方が効率的だというのが私からの提案になります。
大学職員を目指して、引き続き一緒に頑張りましょう!